舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、舌の下に少量のアレルゲンを投与することでアレルギー症状を緩和していくという治療法になります。同療法の対象となるのは、スギ花粉による花粉症の患者さまとダニ(ハウスダスト)アレルゲンが原因のアレルギー性鼻炎の患者さまです。
スギ花粉症の方やダニアレルギーの方に対し、体に対してアレルギー反応を起こす物質を体内に徐々に入れていき、体をそのアレルギー物質になれさせてしまう体質改善の治療法です。かつては、スギやダニの成分を皮下に注射して治療の継続には労力と根気が必要でした。2015年に舌の下に薬を入れて治療を行う舌下免疫療法が登場し、免疫療法が”皮下注射”から”舌下”に代わり、免疫療法へのハードルが下がり、より身近なものになっています。
このような患者様にお勧めします
- アレルギー性鼻炎(スギ・ダニ)の根本治療をご希望される方
- 飲み薬や点鼻スプレーをしても、症状が改善しない方、または不十分な方
- 飲み薬での眠気の副作用が強い方や、薬の量を減らしたい方
- 手術による治療鼻レーザー手術、鼻中隔矯正術などを避けたい方
- 今後、妊娠を考えられている方妊娠中、授乳中の薬の減量効果あり
- 今後、ダニ以外のアレルギー物質への感作も避けていきたいと考えている方
服用回数としては、1日1回です。スギ花粉症の患者さまには、スギ花粉のエキスを含む錠剤(シダキュア)を用います。飲み込む前に舌下に置き、それを1分程度口内で保持してから飲み込みます。なお、この治療を開始する時期は限定され、スギ花粉の飛散時期(1月~5月)はできません。また、ダニアレルゲンが原因のアレルギー性鼻炎の患者さまでは、ミティキュアと言われる錠剤を舌下に一定時間保持してから飲み込みます。こちらの場合は開始時期が限定されることはありません。いずれにしても、アレルゲンの成分が少量のものから服用を始め、その後、一定の量のアレルゲンを含む薬を数年間に渡って服用を続けます。いずれの治療であっても初回の投与は医療機関で実施され、投与後30分間は待合室で経過観察をする必要があります。
また、服用における副作用としては、不快感や喉の刺激感、かゆみ、口の中の浮腫、耳のかゆみなどが起き、重症になるとアナフィラキシーなどの症状が現れることはあります。