耳とは

耳とは

耳は、音を聴くという聴覚と平衡感覚いわば体のバランスをつかさどる器官のことで、大きく、外耳(耳介から鼓膜の手前までの部分)、中耳(鼓膜から鼓室、耳管の部分)、内耳(半規管、前庭、蝸牛、内耳神経)の3つに分けられます。外耳と中耳は、音を伝達する働きがあり聴覚としての役割を担っています。内耳は、聴覚としては音を感知する働きだけでなく、平衡間隔(体の傾きや回転)を治す機能もあります。

これら3つの部位でよくみられる病気や症状というのは下記の通りです。

外耳炎

外耳道炎とも言われるものです。外耳道とは耳の穴の入り口から鼓膜までの間のことを指しますが、この間に主に細菌感染が生じることで炎症が見受けられる状態を呼びます。ちなみに、外耳道の耳穴入り口付近に炎症がある場合を限局性外耳道炎、外耳道の内側3分の2程度の部分の鼓膜側に炎症が生じている場合をびまん性外耳道炎と呼びます。

発症の原因に関して、限局性外耳道炎の場合は、耳掃除による外耳道への刺激、水泳やシャワー、入浴の際に水が外耳道に入りこむことなどがあります。主な症状としては、耳痛、皮膚の発赤、圧痛、口を開けると痛いといったものがあります。びまん性外耳道炎でも原因として、耳掃除が挙げられますが、それ以外では中耳炎による耳漏、シャンプーなどが入ることによる刺激、アトピー性皮膚炎の患者さまということがあります。主な症状は、湿疹や掻痒感などです。また、炎症の原因菌として、最も多いのが黄色ブドウ球菌です。

治療としては、外耳道を清潔に保つ、点耳薬、軟膏 などの抗菌薬の使用となります。加えて、必要に応じて、患部を切開して排膿する、かゆみが強ければ、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を使用することもあります。

耳閉塞感

外耳の部位において、耳が詰まっている、こもるという感覚がある場合は、耳垢が、外耳道に大量に溜まっている可能性もあります(耳垢栓塞)。耳垢には2種類あって、乾燥するタイプと湿り気のあるタイプがあるのですが、日本人のおよそ7割の方が前者とされています。この場合は、適度に耳掃除をせずとも自然と耳穴から体外へと排出されますが、湿っているタイプでは、外耳道に付着するなどして外耳道内で蓄積していき、これが固まるようになって塞ぐようになれば、耳が聞こえにくくなるということがあります。そのためには、適度な耳掃除が必要となるわけですが、これをしすぎると外耳炎を引き起こすことも考えられますし、ほかには、耳かきや綿棒によって奥に押し込まれる形になって、完全に詰まってしまうという危険性もあります。また、耳掃除というのは、月1回程度で十分とされています。

このように耳垢栓塞の診断を受けた、もしくは、異物が外耳道に入り込むことによって、耳閉塞感があるという場合は、早急に耳鼻咽喉科にて除去する必要があります。

治療に関しては、耳垢が原因でならば、耳垢を溶かす薬物を使用して除去する、もしくは、異物が外耳道に挿入してしまった場合は、異物鉤という特殊な器具を使って取り除くようにします。さらに、耳垢を取っていく際に痛みが起きるという場合は、外耳道真珠腫という病気を発症していることもあります。

急性中耳炎

鼓膜の内側にある鼓室は、耳管を通じて鼻腔につながっています。そのため、風邪をひいた際にこの鼻腔から耳管を通って、ウイルスや細菌が入りこみ、鼓室内で感染すると炎症を引き起こし、膿が溜まるようになり、鼓膜も赤く腫れるようになります。これを急性中耳炎と呼びます。これにより、耳の閉塞感や耳痛、耳が聞こえにくい(難聴といった)といった耳症状のほかにも、鼻水や鼻づまり、発熱といった上気道炎などの全身症状もみられます。さらに、痛みを訴えることができない乳幼児は、しきりに耳を触る、不機嫌なしぐさが見受けられるようになります。ちなみに、急性中耳炎が小児に多いのは、耳管がまだ成長途上にあり、成人と比べると傾斜がなく、耳管と水平な状態になっているほか、耳管自体がまだ太くて短いということもあります。

治療としては、症状の程度に応じて異なります。軽症の場合は経過観察ということもあります。中等症以上であれば、3~5日程度の抗菌薬の投与となります。さらに、重症化している場合は、鼓室内に溜まっている膿を排膿する鼓膜切開術を施します。これによって痛みの軽減や熱を下げるなどをしていきます。ちなみに、鼓膜を切開しても、また自然と塞がるようになります。

滲出性中耳炎

鼓膜に穴が開いているわけでもなく、急性中耳炎のような強い痛みがあるわけでもないにもかかわらず、中耳(鼓室内)に貯留液が溜まるなどし、耳の閉塞感や難聴などの症状が現れる状態を滲出性中耳炎と呼びます。

発症の原因としては、小児の場合は急性中耳炎を契機としたもの、鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド増殖症などウイルスや細菌などの病原体の感染によって発症することが多いと言われています。成人では、上咽頭がんの発症による耳管の閉塞によって発症することがあるとされています。小児の場合、放置が続くと言語発達にも影響が及び、また、慢性中耳炎や中耳真珠腫を発症する原因にもなるので、保護者の方が早急に気づくことが重要です。例として、テレビの音量を大きくして聞いている、名前を呼んでも振り向かない、返事をしないという場合には注意が必要です。

治療としては、原因が特定されていれば、原疾患(鼻炎や副鼻腔炎)の治療として抗菌薬の投与など、さらに、鼓室内に空気を送る耳管通気も施していきます。また、医師が判断すれば、手術療法として、鼓膜に小さな穴を開け、その部分にチューブを挿入し、滲出液を排出していく鼓膜換気チューブ留置術、鼓膜を切開して滲出液を排出していく鼓膜切開術などを行います。

慢性中耳炎

急性中耳炎や滲出性中耳炎の治療が十分でなかった、感染による防御機能が低下しているといったことで慢性化してしまった中耳炎を慢性中耳炎と呼びます。この場合、鼓膜が穿孔していることが多く、耳鳴り、耳漏、伝音難聴などが現れますが、耳の痛みや発熱といった症状はみられたとしても軽度です。ただし、内耳にまで炎症の症状が広範囲に及ぶようになるとめまいや感音難聴が生じることもあります。

基本は治療としては保存療法になります。代表的なものには、耳管通気などで排膿をしていく、抗菌薬(点耳、内服 等)を投与するといったものです。完治をさせるためには手術療法になります。鼓膜の穴を塞ぐ場合は、鼓膜再生療法や鼓膜形成術が施されます。さらに、鼓室の中にある耳小骨が障害を受けている場合は、鼓室形成術となります。

難治性中耳炎

治りにくい中耳炎のことを総称して難治性中耳炎と呼びます。そのひとつに中耳真珠腫というのがあります。これは、中耳内に真珠腫が増殖し、細菌感染することで、周囲の鼓室内の耳小骨などが破壊され、難聴、めまい、膿の含んだ耳漏や悪臭などの様々な症状が現れている状態を言います。原因は特定されていませんが、急性中耳炎や滲出性中耳炎を幼少期に繰り返すと発症しやすいと言われ、初期は自覚症状がなく、ある程度進行することで、上記の症状が現れるようになります。

治療としては、手術療法による真珠腫の摘出とされていますが、症状が軽度あるいは患者さまが高齢という場合は、炎症を抑えるなどの保存療法による経過観察ということもあります。

さらに、癒着性中耳炎というのもあります。これは急性中耳炎や滲出性中耳炎の繰り返しによって、鼓膜が凹むなどして鼓室に貼りついてしまって癒着している状態を指します。こうなると鼓膜が振動しにくくなって、音をうまく伝えにくくなると言われています。この期間が長くなればなるほど難聴が進行します。主な症状としては、耳漏や難聴、耳痛などです。治療は、症状が軽度であれば耳管通気などの保存療法を行い、そして、重度の場合は手術療法として、鼓室形成術を行います。

突発性難聴

特に前兆もなく、突如、難聴の症状に見舞われる病気で、どちらか片側の耳に高度感音難聴が見受けられる状態を指します。このほかにも、耳が詰まった感じ、めまい、耳鳴り、嘔吐なども現れます。めまいの症状が起きるとメニエール病も考えられますが、突発性難聴では、めまいの症状が繰り返すことはなく1回のみです。原因としては、特定はされていませんが、何らかのウイルスの感染、循環障害といったことが考えられます。特に、50~60代の世代の方が発症しやすいのも特徴です。

診断をつけるにあたっては、純音聴力検査などの自覚的聴力検査を行い、高感度音難聴の有無を調べます。高感度音難聴と確定した場合、MRIや他覚的聴力検査をし、その他の病気の可能性なども排除することで、突発性難聴と診断されるようになります。治療が遅れると予後は不良となることが多いので、早急な治療を受けることが望まれます。そのため、難聴や耳鳴りなどの症状が起きたら、お早めにご受診ください。

基本は治療としては、薬物療法です。ステロイドの投与が中心となり、または、循環改善薬として血管拡張薬やビタミン製剤を併用するほか、高圧酸素療法を用いることもあります。

急性低音障害型感音難聴(ALHL)

急性感音難聴のひとつで、主に20~30代の女性にみられ、特に前兆はなく、突発的に難聴、耳閉塞感、めまい、耳鳴りなどの症状が見受けられます。多く患者さまは、耳が詰まった感覚を訴え、片側の耳で症状を訴えることが大半です。原因としては不明とされていますが、メニエール病と同じように内リンパ水腫が関係しているのではないかともされています。加えて、疲労やストレスが発症を引き起こすとも言われています。

視覚的な症状だけでは、突発性難聴と区別しにくいというのもありますが、聴力検査において、500Hz以下の低い周波数の音が聞こえにくいという特徴があります。軽度であれば、治りやすいとされているので、症状が現れたら、お早めにご受診されることをお勧めします。

診断をつける際は、純音聴力検査によって、低音障害型感音難聴か否かを調べていきます。検査の結果、急性低音障害型感音難聴と診断を受け、治療が必要となった際は、浸透圧利尿薬を投与していきます。さらに、ステロイド、ATP製剤、ビタミン製剤といった薬物療法も用いていきます。

加齢性難聴

加齢と共に進行していく難聴のことで、耳の両側で難聴や耳鳴りなどの症状が起きます。発症初期は、高音域において難聴や耳鳴りが生じますが、加えて、症状が進行すると中・低音域など全ての音域で難聴が現れるほか、語音明瞭度も低下していきます。ちなみに、発症時期や進行の程度は、個人差が大きいとされています。原因としては、内耳にある蝸牛あるいは、らせん神経節などの加齢による変化などが挙げられます。

難聴の症状があれば、他の病気の可能性の有無も調べる必要があるので検査が行われます。主に語音聴力検査や純音聴力検査をしていき、高音になるほど感音難聴が重度になるという際に加齢性難聴が考えられます。

治療としては、程度の差こそあれ、多くの方は60歳を過ぎる頃には、高音域から聞き取りにくくなっていきます。この場合、薬物療法や手術療法では改善せず、補聴器を装用することで、聞こえにくさを改善していきます。

音響外傷

工事音や爆発音、ライブ会場などで発生する強大な音による、難聴や耳鳴り、耳閉塞感などがみられている状態を音響外傷と呼びます。その際に外リンパ瘻や鼓膜損傷が生じていると、耳の痛みやめまいがみられるようになります。この場合、耳の片側の場合もあれば耳の両側で起きることもあります。

上記の症状があれば、速やかにご受診し、治療を受けるようにしてください。症状の放置が続けば、聴力が低下したままになってしまうこともあります。

治療としては、薬物療法が中心で、ステロイドを投与、血管拡張薬やビタミン製剤を使用することもあります。さらに、高圧酸素療法を用いることもあります。

騒音性難聴

騒音のある環境下に長い期間に渡って、いることで起きると言われ、この場合も音響外傷と同様に蝸牛器官の外有毛細胞が障害されたことで様々な症状が現れるようになります。初期の頃は、耳鳴りがみられるとされ、進行すると難聴を訴えるようになります。症状としては両側の耳で起きることが大半です。難聴の症状は、高音域の聴力低下から始まりますが、放置が続くと全周波数において聴力が低下します。

現時点では、有効な治療法はありません。第一に、騒音の環境下を避ける、耳栓を着用するなどの予防対策に努めていきます。

機能性難聴

病変などの器質的な障害や変化などが確認されない難聴のことを指します。この場合は、心因性の難聴が考えられます。これはストレスが原因のケースが大部分とされ、両側の耳で症状が現れるほか、耳鳴りや耳閉塞感などを伴うこともあります。主に学童期の女子に起きやすいとされ、学校や家庭環境で受けたストレスが原因となることが多いです。

診断をつける検査として、聴性脳幹反応や純音聴力検査などを行うなどして、他の病気の可能性を除外していきます。心因性難聴では、ストレスを除去することで、難聴の症状は軽減されるようになるので、ストレスとならない環境づくりなどが重要になります。

聴神経腫瘍

内耳神経の中でも前庭神経に発生しやすいとされる良性腫瘍(脳腫瘍の一種)により引き起こされ、主に40~60代の世代に起きやすいとされています。

初期症状は、片側の耳に耳鳴りや難聴といった症状が見受けられます。無症状の方でも脳ドックで発見されることもあります。この腫瘍は年間で1mm程度成長するとされているので、症状の進行は非常にゆっくりです。しかし、腫瘍が大きくなれば、顔面の感覚障害やめまい、顔面神経の症状なども現れるようになります。難聴については、腫瘍が大きくなることで蝸牛神経を圧迫するなどして生じるとされています。

治療については、腫瘍が小さく、目立った症状がなければ経過観察となります。腫瘍が3cm以下であれば放射線療法となります。手術療法は腫瘍がある程度大きい、脳幹や神経を圧迫しているという場合に行われます。

耳管狭窄症

耳管とは、中耳にある鼓室と咽頭鼻部との間をつないでいる管のことを指します。この耳管が常に閉塞してしまっている場合を耳管狭窄症と呼びます。通常であれば、あくびをする、物を飲み込む(嚥下)といったことで耳管は開放されるようになりますが、それでも無理な状態を指します。

主な原因としては、風邪による耳管の炎症、アデノイド増殖症、アレルギーによる鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭腫瘍といった疾患、口蓋裂、気圧の急激な変化、加齢による耳管軟骨の硬化といったことが考えられます。耳管狭窄症は、乳幼児や高齢者に起きやすく、放置が続けば滲出性中耳炎を引き起こすこともあるので、お早めの対応をするようにしてください。

治療としては、原因疾患がある場合はその治療を優先します。改善が困難な場合は、鼻腔から耳管さらに鼓室へと空気を送っていく耳管通気、もしくは鼓膜切開術が施されることもあります。

耳管開放症

耳管が閉じられることなく、常に開放された状態にある場合を指します。主な症状としては、耳の閉塞感や自分が発する声が大きく響く、呼吸音の聴取といったものがあります。なお、坐位や立位の体位から前屈や臥位の状態になる、鼻をすするなどで、これらの症状は軽減されるようになります。

原因としては、運動後の脱水状態、急激な体重の減少、加齢、透析、妊娠中やピル(経口避妊薬)服用時などに現れやすいとされ、主に中年~高齢者に症状が起きやすいとされています。

そして、基本的な治療としては保存療法になります。この場合、生理食塩水の点鼻、漢方薬の内服などが用いられます。ただし、上記では改善できない場合は手術療法として、鼓膜に穴を開け、耳管に向けて耳管ピンを挿入することで、開放状態を改善していく、耳管ピン挿入術などを施していきます。

耳介軟骨膜炎

耳介とは、外から見える耳の部分などのことを指し、耳たぶなども含まれます。これらの部位は軟骨と言われる部位でできています。すなわち、耳介に炎症が生じている状態が耳介軟骨膜炎です。

この場合、主にピアスの穴、虫刺され、打撲などによるケガなどから細菌感染するなどして、炎症がみられるとされています。主な症状としては、発赤、痛み耳の腫れといったものが見受けられます。症状が進行すると耳が変形すること考えられます。

治療に関しては、抗菌薬を用いるほか、炎症の症状が強ければ、ステロイド薬も使用していきます。

耳介血腫

耳が擦れる、もしくはぶつけるなどしやすいスポーツ(レスリング、柔道、相撲、ラグビー など)により、耳の上側の皮下に血が溜まってしまい、まるでこぶのように盛り上がって変形している状態を耳介血腫と呼びます。この場合、溜まってしまった血を針などで、早めに抜くようにしますが、それでも血が溜まってしまうことがよくみられます。このような状態にならないためには、抜いた後に早急に患部を圧迫固定する必要があります。

めまい

めまいとは、ひとつの症状を意味するものではなく、例えば、グルグル回る、クラッとするような立ちくらみ、フワフワと浮いたような浮揚感といった種類のものがあります。一般的にグルグルと目が回る、つまり、回転性めまいについては、耳の中の内耳という部分で何らかの異常が生じた可能性が高いとされています。一方、フワフワと浮いたような浮揚感のある、めまいは動揺性めまいとも呼ばれますが、この場合は脳の何かいしらの異常によって引き起こされる可能性が高いとされています。また、立ちくらみに関しては、血圧の変動などによって引き起こされると考えられます。ただし、回転性めまいについても脳の異常が原因なこともあり、動揺性めまいでも、耳の異常が原因ということもありますので、上記のような症状が現れたら耳鼻咽喉科か脳神経科をご受診されるようにしてください。

めまいに関しては、内耳が何かしらの障害を受けることで脳に正確な情報が伝わらなくなって引き起こすことが多いです。ただし、精神的ストレス、脳の血流が不足、ウイルス感染で発症することがあります。耳の病気に関係なく、めまいの症状が見受けられる主な疾患には下記のようなものがあります。

良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、メニエール病、突発性難聴、内耳炎、聴神経腫瘍、頸性めまい(頸部脊柱管狭窄症、変形性頚椎症、むち打ちなど)、貧血、起立性低血圧、自律神経失調症、一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳出血、椎骨脳底動脈循環不全 など

メニエール病

内耳を満たしている内リンパ液が内耳圧の上昇などにより過剰となって、それが内リンパ水腫となって様々な症状が起きている状態をメニエール病と呼びます。よく見受けられるのは、何の前兆もなく生じるグルグルと回るようなめまい、それと同時か少し前に起きる難聴や耳鳴です(片耳の場合が多い)。このような症状は数十分~数時間続くと言われ、何度も繰り返すようになります。

ちなみに、内リンパ水腫が生じる原因は不明です。ただし、めまいなどの発作については、疲労、ストレス、睡眠不足などが誘発するのではないかとされています。

良性発作性頭位めまい症

起床の際に飛び起きる、靴ひもを結び直そうと下を向くなどして、頭の位置や傾きが急に変わるなどしたために目の前がグルグルとするめまいが数十秒~数分程度、起きている状態を良性発作性頭位めまい症と呼びます。ただし、めまいの最中に難聴や耳鳴りのような症状がみられることはありません。

発症のメカニズムとして、これは内耳にある耳石が本来あるとされる前庭と言われる位置にないことで生じるとされています。耳石は前庭にあることで上下前後の動きや体の傾きを感じられるようになるのですが、これが何かしらの原因で三半規管に入ってしまうとめまいの細胞を刺激して、めまいが生じるとされています。

この場合、これといった特効薬はなく、理学療法によって耳石を元の場所に戻すという方策がありますが、耳石のある場所に応じてその内容は異なります。